- 団粒化が乏しい土壌では様々な障害が現れますが、その中の一つにクラストがあります。
1.クラストとは
・クラスト(土膜)とは、物理的な作用により土壌表面の団粒が壊れ、分散した粒子が孔隙の目詰まりを起こす現象のことをいいます。
2.クラストが起こる原因
・スレーキング(注1)しやすい土壌の場合、地表面が乾燥していて降雨があると表層の土塊が崩壊して、表層部に細粒子が詰まったクラスト層ができます。
※注1:土塊等が乾燥、吸水を繰り返すことにより、細かくばらばらに崩壊する現象のこと
・地表面が湿った状態では、雨滴の衝撃で表層の土塊・小団粒が壊れて、細粒子が孔隙に流れ込んで、孔隙を埋めるようにクラストを作ります。
3.クラストによる悪影響
・クラストのため土壌表面が硬化し、ダイズやニンジンなど作物の出芽を阻害します。
・緻密な土膜に覆われるため、土壌の通気性が悪化(低酸素状態を維持)し、過湿状態が継続しやすくなります。
4.クラスト対策
・砕土率を抑えたり(地表面の土塊が細かいほどクラストができやすい)、前作の有機物を浅耕するなど耕起法を改善します。
・軽石質の砂土を客土混入して粘土含量を低下させたり、堆肥の投入や緑肥の導入、輪作の実施等により土壌の団粒化を促進します。
・カルチ掛けをしたり、クラストクラッシャー(トラクタ用、人力用)などでクラストを物理的に破砕します。