石灰質資材について

  • カルシウムは、野菜類をはじめ作物生理の面から非常に重要な成分で、カルシウムが作物にうまく吸収されるように土壌を改良することがポイントとなります。
  • 消石灰や生石灰は非常に反応性が高く、ポゾラン反応と呼ばれる反応により、連用すると土が固くなることがあります。
  • タンカルはポゾラン反応を起こさないので、土を固める性質は強くありませんが、過剰に施用し多量のタンカルが土に集積すると土が固くなる場合もありえます。
  • 表にpHの改善を基準とした各石灰資材の施用のポイントをまとめてみました。
表 主な石灰資材の施用ポイント

資材名 アルカリ分 施用のポイント
生石灰 80~95% ・酸性矯正能力は最も高い(炭カルの65%の量でOK)
・土壌での反応が最も激しいので、土壌混和後、作物の播種、定植までに1週間から10日ほど要する(生育障害)
・窒素肥料も、土壌混和後7~10日後に施用する(アンモニアのガス揮散)
・水溶性リン酸と併用しない(リン酸効果の低下)
消石灰 60~70% ・酸性矯正能力はかなり高い(炭カルの80%の量でOK)
・施用上の注意は生石灰に準ずる
・堆肥の分解促進に適している
炭カル 53% ・土との反応はゆっくりとおだやかで、土壌と混和すればただちに施肥したり、作物を播種・定植しても問題はない
苦土炭カル 53% ・酸性矯正能力は、炭カルと同等と考えて良い
・苦土のバランス矯正が必要なときに利用する
ようりん 45% ・酸性矯正能力は炭カルよりやや低い(炭カルの110~120%の量が必要)
・リン酸の補給と同時にpHの矯正ができる
貝化石 35% ・酸性矯正能力は炭カルより低い(炭カルの150%の量が必要)
・微量要素をかなり含む